急激な症状悪化に注意│犬の尿管結石について

犬の尿管結石は、腎臓から膀胱までの通り道である尿管に石が詰まる疾患で、尿管閉塞が続くと尿が出なくなり

亡くなる事もある怖い病気です。

今回は犬の尿管結石の症状や原因、治療方法について詳しく解説します。

〇症状

尿管結石は腎臓にできた結石が尿管に移動することで発生します。

尿管結石の症状としては、元気や食欲の低下が見られます。

結石が腎臓にある時は無症状のことがほとんどですが、尿管に入り完全に閉塞してしまうと、わずか1日足らずで症状が急激に現れ、

命に関わる事態になります。

定期健診を受診し、超音波検査やレントゲン検査などの画像健診を行うことで、腎臓に結石がある段階で早期発見ができれば、

病気の進行を遅らせることもできます。

〇原因

結石の主な原因は、食事と体質です。尿が酸性なのか、アルカリ性なのかによって結石のできやすさが変わります。

同じような食事をとっても結石ができるかできないかは個体差があるので、体質も大きな原因です。

犬の泌尿器系の結石（膀胱結石、尿道結石、腎結石、尿管結石）は比較的多く見られます。

その中でも尿管結石は手術や治療が難しい病気であると言えます。

〇治療

泌尿器系の結石のうち、比較的早期の段階である腎結石を発見できた場合、結石が尿管に移動して尿管閉塞を起こさないように注意深く経過観察を行います。結石がストルバイトと呼ばれる成分でできていれば食事療法で結石の溶解を試みることができますが、腎臓にできる結石は大半がシュウ酸カルシウムのため、腎臓にできた結石の治療を食餌で行うことは非常に難しいと言えます。

また、腎結石が尿管閉塞を起こす可能性が明らかに高い場合は、尿管結石の手術リスクを考え、腎臓からの結石摘出手術を行う場合もあります。

尿管結石が詰まって閉塞してしまうと、基本的には外科手術になります。尿管切開をして結石を取り除く方法やSUBシステムと呼ばれる腎臓と

膀胱を繋ぐバイパスを作る手術があります。

〇まとめ

尿管結石は早期発見と手術の決断が必要な恐ろしい病気です。

尿管に結石が詰まった場合は迅速な対応が必要となります。

事前に腎臓に結石があることを知っていれば、尿管に結石が詰まった場合の心構えができ、迅速な対応も取りやすくなります。

少なくとも1年に1回はレントゲン検査や超音波検査を含めた健康診断を受診しましょう。